「菩提樹」の注意書き
以降も次々と気の実シリーズの解説の中に「菩提樹」という言葉が出てきますが、最初に明らかにしなければならないのは、菩提樹とは名ばかりであって、本当にお釈迦さまが涅槃したあの「菩提樹」とは違うということです。 お釈迦さまが涅槃した菩提樹は現在はインド菩提樹と呼ばれるものであり、クワノキ科に属します。 インド菩提樹からはお数珠になるような固い実や種は生りません。 お数珠として「菩提樹」の名前のある木の実(もしくは木や植物の種子)のほとんどはインド菩提樹や我々が菩提樹と呼ぶ菩提樹(シナノキ科)とは全く別の種類の木です。 ※我々が菩提樹と呼ぶ菩提樹は、中国原産のシナノキ科の木です。 これは寒い地域ではインド菩提樹が育たない為、葉の形が似ているシナノキ科の木を中国で菩提樹とし、それが日本に伝わったと言われます。
【ルドラクチャ(金剛菩提樹)ホルトノキ科】
サンスクリット語でルドラ・アクシャ、つまりシヴァの目という意味を持つ金剛菩提樹の実です(※ルドラ神とはヴェーダ時代の暴風の神様で現ヒンドゥ教のシヴァ神と同一と見られております)
シヴァ神が腕や首に巻いているアクセサリーそれがこのルドラクチャ(ルドラクシャとも呼ぶ)です。 シヴァ神はこの金剛菩提樹で作ったアクシャマラ(念珠ネックレス)を大変好んでいると考えられており、シヴァが描かれている宗教画を見ると、必ずシヴァ神はこれを身に着けております。 シヴァ神を信仰するシヴァ派ヒンドゥ教徒やヒンドゥ修行僧も必ずと言っていいほど金剛菩提樹を身に着けており、この実がまさか東アジア圏では仏教上の「菩提樹」という名前が付けられているとは夢にも思っていないでしょう。
上記のとおり、現地ではルドラクチャを神聖なるものとして扱っているのは仏教徒以上にヒンドゥ教徒が多いといえます。 ルドラクチャは実に奥深い世界であり、ルドラクチャに刻まれた条線(ムキと呼びます)によって価値や効果、意味合いが大きく変わってきます。 5線(パーンチムキ)のものが圧倒的に多く、次いで4線、6線は比較的手に入れやすいといえるでしょう。 例えば最も数の多い5線ルドラクチャはシヴァの象徴とされ、4線はブラーフマ、6線はカルティケーヤです(スパイキーパサルでは新しい線が登場するたびに商品ページで解説致します) 1線や13線、双子のガウリシャンカールや象の鼻のような突起物がくっついたガネーシュなどは非常に高額で、万が一それらのシャーマン使用アンティークルドラクチャが見つかったならば数10万というものまで存在します。 お金持ちで敬虔なシヴァ派信者にコレクターが多いため、それを騙そうと線をつぶして1線にしているものや、沸騰したお湯に入れて古い風合いを出しているもの等、まがい物も多く出回っています。 中にはかなり巧妙に作られているものもあり、見分けるのはなかなか至難の業。 日本では馴染みがありませんが、ヒンドゥ文化圏ではコレクターがいるほどの人気なのです。
【シャーマンルドについて】
当店で扱いのあるシャーマンルドラクチャ(アンティークのルドラクチャ)は自信のシャーマン使用金剛菩提樹です。 未だに山間部やカトマンズ郊外の村では祈祷師や呪術師といったシャーマンが人々の病を治したり、呪術を行っているところもありますが、これらの呪術師も好んでルドラクチャを身につけます(この場合は必ずしもシヴァ派に属しているわけではないようですが) もちろんスパイキーの仕入れるルドラクチャはすべてアンティーク骨董もの、ネパールのシャーマンが使っていたとされるもので50年から中には200年経過のものまであります。 しかし最近では骨董ルドラクチャが非常に手に入りにくく、入手が困難になってきました。 また、煮沸によるアンティーク加工(古く見せるために行う加工)ものもかなり多く出回っており、それらも公然とシャーマンルドとして取引されているようです。 本物の古ルドラクチャは、黒みが強い中にも赤みがあり、鈍い光沢があります。 表面は硬化しており、なかなか頑丈な表面ですが、割ってみれば中身はこげ茶色です。 擦れ合うことによる摩耗痕も側面等に顕著に現れます。 このルドラクチャは数あるスパイキーの面白商品でも最も反響の大きかった商品のひとつです。 ルドラクチャは変幻自在、まるで生き物のようで時には恐ろしくなるほど。 湿気や汗の影響も考えられますが、大きくなったり小さくなったり、赤みが強くなったり黒みが強くなったり…様々な要因を受けて反応を示します。 未知のパワーが内在し、全くもって正体不明、何が起こるかも不明ですが、身につけてから色々な効果を感じる人はかなりいるようです。 基本的にすでに硬化しているアンティークルドは他の気の実シリーズよりも強いといえます。 汗などがついてしまった場合でも軽く拭いてあげるだけで大丈夫ですが、水仕事をする際は外して下さい。 長期保存する際は、湿気の無い乾燥した場所に保管しましょう。 最後にひとつ、女性の皆様は生理中はルドラクチャをつけてはいけないという話がございます。 これは、ヒンドゥの悪しき習慣のひとつである「浄」「不浄」の概念によるものです。 つまり生理中の女性は「不浄」であり、不浄である女性が「浄」であるルドラクチャに触れることにより、「浄」のパワーが逃げてしまうと考えられているからだと筆者は考えております。 気になる方はその際は身につけなければ良いと思いますが、浄・不浄の概念はあくまで人間が考えたものですので、ルドラクチャというモノと触れ合う際に特に気になさる必要はないかと思います。
【数珠用のちびルドについて】
数珠ブレスとなっている小さなルドラクチャ(金剛菩提樹)ももちろんルドラクチャには変わりありません。 しかしお数珠となっているものはシャーマン使用の骨董ルドではありません。 稀にヒンドゥ教徒のリシ僧やサドゥ僧が使っていたものが手に入ることもありますが、ほとんどが通年(月日の経過)により古化したものです。 その都度、商品ページにてどのタイプのルドなのかを記述致します。 また、興味深い話として、カットしたルドラクチャ(金剛菩提樹)は仏教徒もマラ(お数珠)として好んで使用するようです。 HPにも数点出ておりますが、カットルドは自然のルドラクチャの実の表面を研磨することによりタイヤ型にカット加工したものです。 ルドの特徴であるムキも見られません。 このカットルドラクチャはチベット密教徒の中でも特にマハカーラの修業を行う僧侶が好んで使用するという話を現地で聞きましたが、まだ話の確証は得ておりません。 当店の取り扱うカットルドラクチャのほとんどはラマ僧使用ものとなっております。 シャーマンルド同様に強い浄化力があるので、持ち主をたちどころに浄化してあらゆる不幸や災難から身を守るといわれます。 さらには躍動感ある力強さと自己が秘めた能力の開発にも役立つと当店では考えております。
気の実ビーズは湿気や汗を嫌います。 時々柔らかい布なので拭いてあげるなどのメンテナンスを行い、汗をかく際や炊事の際は外すのが良いでしょう。 長期保存する場合は、湿気のない乾燥した場所に保管して下さい。 湿気や汗はカビや虫食い原因になります。 カビや虫食いの責任は負いかねますのでご了承下さいませ。 万が一表面が白んでしまった場合はよく拭き取ってあげれば復活します。 使いこむことによって(ブレスとして身につけることによって)、黄土色の表面がやがて赤茶色になり、照りや光沢が増してゆきます。 最もそれが良い状態ですが、有機物である木の実ですので、いつかは朽ち果てるものだと思って下さい。
【ブダチット(鳳眼菩提樹・龍眼菩提樹)ナツメ科】
現地でも仏教徒(チベット密教徒)のお数珠として活用される木の種子です。 ネパール・チベットのチベット密教系のラマ僧に非常に重宝されているもので、腕に回したり、首にぶら下げたり、念仏を唱える際はそれを指で器用に弾くようにして唱えた経の数を数えます。 基本的には仏教における聖数である108で構成されていますが、宗派によりどの珠までを入れて108とするかには違いがあるようです。 ブダチットと呼ばれるのが一般的ですが、ブダチッタ、ボディチッタ等、発音の仕方はひとそれぞれのようです。 これもまた「菩提樹」と名のつくシリーズですが、インド菩提樹(クワノキ科)及びに日本での菩提樹(シナノキ科)の木々とは異なる種の木の種ということになります。 このブダチットシリーズ(鳳眼・龍眼・虎眼等)はナツメ科のマルナツメと呼ばれる木の種核です。 このマルナツメはインドネパールの国境周辺のジャングル地帯に多く分布しています。 同じ苗木でも種類の違う実をつけるので、ブダチットの中にも違いが生じます。 日本で鳳眼菩提樹と呼ばれる「人の眼」のようにみえる(これが鳳凰の眼)ひとつ目は、現地ではネパールブダチットと呼ばれます。 比較的ネパール領土内で採れることが多いからでしょうか。 また、ひとつ目なのでエクムキ(ネパール語でひとつ目の意味)とも呼ばれます。 眼が三角形のものをインドブダチットと呼びます。 今度はインド領内でよく採れるということなのでしょうか。 こちらは3角形の中に良く見ると3つの「点」が見られるので、それを目に準えてティンムキ(ネパール語で3つ目の意味)とも呼ばれます。 その他、日本で虎眼菩提樹と言われる4つ目のものは現地でも希少であり、お数珠の頭玉(梵天珠)などに使われたりします。
ひとつ目である鳳眼菩提樹(ネパールブダチット)には非常によく似た類似品が存在します。 これはネパール語でハーレイと呼ばれる木から採れる実の種子ですが、確かにひとつ目があり、鳳眼珠にそっくりです。 若干潰れたような形をしております。 これは廉価ですが、いわゆる鳳眼菩提樹ではございませんので注意が必要です。 日本で蓮華菩提樹という名前で呼ばれているものがこのハーレイに当たるのではないかと思いますが現在調査中です。
ブダチットは小さなものほど価値があり、古いものほど価値があります(※但し、新しいもので珠の非常に小さな菩提樹珠はラマ僧使用古菩提樹よりも高額なことがあります) 新しいものは黄土色で、ニスが劣化を防ぐためニスが塗ってある場合もあります。 古いものは鈍い照りのある黒茶色~赤茶色で、使い込まれることにより自然と丸くなったものに価値があります。 また、ラマ僧が実際に使っていたものには無数の読経が宿るとされ、珍重されます。 ラマ僧使用のお数珠はラマ僧の袈裟の匂いや香の匂いが染み込んでおります。 何処か落ち着くような不思議な香りと風合いです。 お数珠としての役割を果たしてきたということと、ラマ僧の読経のお陰でしょうか。 身に着けてみるとしっとりと肌に馴染み、優しくも神聖な力で見守られているような気分になることでしょう。
スパイキーパサルのものはすべてラマ僧使用(稀に通年による古物もございますが)のお数珠ブダチットにこだわっております。 長年培ったネットワークを生かして、特別な方法で直接ラマ僧と交渉できるエージェントと取引しております。 ブッタガヤやルンビニなど仏教聖地にラマ僧が集まる時を見計らって交渉を行い、仕入れをします。 古くなったマラ(お数珠)はラマ僧自ら持ってくることもあるそうです。木の実シリーズは湿気や汗を嫌います。時々柔らかい布なので拭いてあげるなどのメンテナンスを行い、汗をかく際や炊事の際は外すのが良いでしょう。 長期保存する場合は、湿気のない乾燥した場所に保管して下さい。 湿気や汗はカビや虫食い原因になります。 カビや虫食いの責任は負いかねますのでご了承下さいませ。 万が一表面が白んでしまった場合はよく拭き取ってあげれば復活します。 使いこむことによって(ブレスとして身につけることによって)、黄土色の表面がやがて赤茶色になり、照りや光沢が増してゆきます。 最もそれが良い状態ですが、有機物である木の実ですので、いつかは朽ち果てるものだと思って下さい。
【 古加工ブダチットについて 】
最近では、ラマ僧使用として古加工を施したお数珠が大量に出回っております。 これは新しい菩提樹珠をお湯に入れて煮沸したり、熱を加えることにより、こげ茶色に変色させているものです。 更に手が込んでいることに、その後に水晶研磨をするのと同様のタンブリング機に入れて摩耗したような風合いの研磨をかけます。 左記写真のものがそれであり、筆者はその工程を見てきました。 このように煮沸された珠は、色を付けたわけでは無いので真雁の判別は困難です。 しかし人工的な古加工はやはりどこか不自然であり、色が一律であったり、使われたことによる独特の照りやいびつな摩耗が見られません。 真雁の判別は困難ですので、経験と信頼に頼るしかないというのが現状でしょう。
【蓮の種(星月菩提樹)ヤシ科】
こちらは現地においてロータスシード、つまり蓮の種と呼ばれているものです。 日本で「星月菩提樹」と呼ばれている菩提樹が現地のロータスシードにあたります。 しかしこれ、厳密にいうならば両方とも不正解。 実際は蓮の種ではなく籐の実になります(紅籐子と呼ばれる) 籐はヤシ科に含まれる蔓(つる)植物であり、これもまた菩提樹やインド菩提樹、インドジュズノキとは全く別のものとなります。 中国やベトナム、インドネシアなど亜熱帯に多く生息する植物であり、籐細工であるラタンが有名な地域にはこの籐の実もあるということになります。
何故これがネパールにおいてロータスシード(蓮の種)と呼ばれるようになったのか。 これに関しては今も現地で調べておりますが全くわかりません。 もともとインド・ネパール周辺地域は籐の生息地域では無く、それが何の実なのかわからなかったので、仏教の吉祥のひとつであるロータス(パドマ)の種と名付けたのではないかというのが筆者の見解です。 日本ではお数珠用菩提樹として最も一般的なのがこの「星月菩提樹」であるようですが、現地においては鳳眼や龍眼、金剛菩提樹よりも重宝される傾向にあります。 チベット系のラマ僧も現地では希少価値のあるロータスシードを非常に好むそうです。 当然現地で産出のある鳳眼・龍眼・金剛菩提樹と違い、輸入品となりますので高額となりますが、最近は漂泊玉等の廉価なものも入ってくるようになりました。 ルドラクチャ(金剛菩提樹)がパワーアップ系、鳳眼・龍眼が守り系であるとするならば、この蓮の種は癒し系です。 身に着けた感触は非常に心地よく柔らかい印象を受けます。
日本では菩提樹ではありませんが「星月菩提樹」と呼ばれ、現地では蓮の種ではありませんが、蓮の種と呼ばれるこの藤の実…一体何と呼んだらよいのでしょうか。 現地に縁のある当店ではやはり「ロータスシード」蓮の種ビーズと呼ぶことにします。他の「菩提樹」シリーズ同様に小さくなるほど価値が上がります。 使い込まれて油分が染み込むにつれて黄土色から赤茶色に変色し、最終的には黒光りします。 当店で扱いのあるロータスシードはすべてラマ僧使用となっており、使い込まれ方や珠の大きさ、照り艶、色合いなどで独自にグレードを付けております。
木の実シリーズは湿気や汗を嫌います。時々柔らかい布なので拭いてあげるなどのメンテナンスを行い、汗をかく際や炊事の際は外すのが良いでしょう。 長期保存する場合は、湿気のない乾燥した場所に保管して下さい。 湿気や汗はカビや虫食い原因になります。 カビや虫食いの責任は負いかねますのでご了承下さいませ。 万が一表面が白んでしまった場合はよく拭き取ってあげれば復活します。 使いこむことによって(ブレスとして身につけることによって)、黄土色の表面がやがて赤茶色になり、照りや光沢が増してゆきます。 最もそれが良い状態ですが、有機物である木の実ですので、いつかは朽ち果てるものだと思って下さい。
【ベルチット】
もっとも「ネパール性」の高いアイテムといえるベルチット。 ベルという果実の種に通し穴をつけたものです。 ネパール語ではビャーと呼ばれることもありますが一般的な通り名はベルです。 ベルは主に亜熱帯・熱帯に育つ南国の果物で、日本では育ちませんが、マルワリと呼ばれるようです。 ネパールでも首都カトマンズ周辺では育たず、タライと呼ばれる亜熱帯のジャングルからやってきます。 洋ナシとりんごの中間のような形で、中にはたくさんの種があります。 熟すととても甘いので、ジャングル地方のほうでは好んで食べられるそうです。
さて、このベルの実が何故ネパール性が非常に強いのか? それはカトマンズ盆地の先住民と考えられるネワール族の文化を紐解く必要があります。 ネワール族とは、カトマンズ盆地に多く住むチベット系民族で、一説にはこのネワールが元になってネパールという国名になったとされています。 基本的にはヒンドゥ教ですが、ネワールの中でもバルマチャリア姓やサキャ姓などは仏教徒としてのアイデンティティを持ちます。 まさにチベット文化とインド文化に挟まれたネパールならではの民族です。 ネワール族には彼らしかもたない特別な儀式がお祈りが多数存在します。そんな彼らの儀式の一つにイーという少女の結婚式があります。 ネパールの少女は人間の男と結婚する前に2度神様と結婚します。 一度目の儀式「イー」に使われるのがこのベルの実です。 5~10歳の女の子がネパールの中でも高位の神ナラヤン(ビシュヌの化身)と結婚するのですが、そのナラヤン神に見立てられるのがベルの実なのです。 何故ベルの実が神と見立てられるようになったのか…それはわかりませんが、ベルの実は表面がカチカチに硬くなり内部の果汁は腐らないままずっと残るそうです。 その為少女は自分の結婚したベルを死ぬまで持ち続けるのです。 この普遍性こそが神に見立てられた要因ではないかと筆者は考えます。 ちなみに2度目の結婚で少女は太陽と結婚します(スルヤダルシャン)。 これにも理由があり、未亡人となると不浄と思われる文化において、万が一、夫に先立たれたとしても永遠の太陽という夫がいるということになるのです。 普遍性のあるベルの実にも同様の事がいえますね。
そんなベルの実に特別なパワーがあるに違いない!? 表面が非常に硬く、腐らないという不死性からでしょう。 現地ネワール文化においてベルには神聖なる役割が与えられました。 ネワールの少女たちにとって特別な意味合いのあるベルの実ですから、女性を守るような効果があるのではないかとスパイキーでは考えております。 是非とも女性の方に身に着けて頂きたいです。
スパイキーパサルで使っているベルの実ですが、高いものではありません。 もともとこのベルの実は現地でもマラとして使われることは稀で、クオリティー等は存在しないに等しいでしょう。 好き好むのはスパイキーだけでしょうか。 吉祥の印であるティカ(赤い粉、防腐作用もあります)が摺りこまれていますので激しく擦ると赤がついてしまいますのでご注意ください。
【リシマラビーズ(無患樹・無患子)】
妖艶なまでの黒光り、不思議なこの気の実は現地でリシビーズやシヴァビーズと呼ばれ、リシと呼ばれるヒンドゥ僧やヒンドゥ教徒が好んで身につけるものです。 釈迦無二(お釈迦様)が最初に作ったお数珠がムクロジ製であったという伝説があるようですが、現地において、このビーズはほとんどの場合にヒンドゥ教徒が使用します。 リシとはヒンドゥの仙人又は僧のような人物のことで、厳しい修行により人知を超えた力を体得したもの、という意味があります。 現地ではリシ僧のことを愛称を込めて、ババ(お父さんという意味)で呼んだりします。
このリシビーズですが、現地ではリタ(又はレタ)と呼ばれ、英名はSoap Nutsといいます。 これを訳すと…石鹸の実!? このリシビーズは実を剥がした種子の部分ですが、実の部分は一度乾燥させて、ごしごし擦ることにより石鹸のように泡が立つのです。 最近では我々の使うようないわゆる化学石鹸も廉価で出回っている為、カトマンズ辺りではレタを石鹸代わりに使うことは減ってきましたが、未だに山間部や一般住民の間で汚れを落とす石鹸として洗濯などに使用されています。 筆者もこれを使ったことがございますが、想像以上に石鹸のようで驚きます。 最近のエコブームやナチュラル志向に乗って欧米諸国ではリタを石鹸として使うことが流行りつつあるようで海外に輸出しているのをよく見かけます。このリタ、日本では無患樹(ムクロジ)と呼ばれ、実は結構親しまれているものです。 「子が患わ無い(無患子)」という意味で、無病息災のお守りとなり、お釈迦様がこのムクロジでお数珠を作られたという伝説もあるそうです。 お正月の羽根つきの玉の部分もこのリタなのですが、子供がお正月に羽子板で遊ぶ理由はここにあるのかもしれませんね。
このリシマラビーズには特殊なパワーが宿っているとされ、リシビーズ同士(又は硬いものに)を擦り合わせると熱を発するという話があります。 表面が非常に硬く、ちょっとのことではキズ一つつかないのもこのビーズの特徴です。
実の部分は石鹸となり、種の部分はビーズとなり、日本では無病息災の御守りとなる、知れば知るほど面白いリシマラビーズですが、同じヒンドゥ系であるルドラクチャ(金剛菩提樹)とは相性が良いようです。 2つを同時につけると最強クラスのパワーを発揮してくれるでしょう。 腕に巻くとにより油分が表面に浸透すると驚くほどに黒光りします。 さらに着け続けると、表層が赤茶色を帯びるようになります。
ムクロジはブダチットやルドラクチャのように大きさなどで価格が変わるわけでもなく、現地でも高いものではありませんが、スパイキーが取り扱っているものはもちろんこだわり商品です。 使い込まれたリシ僧使用マラを仕入れてブレスレットとして配列しております(中にはリシ僧使用でないものもございますので商品詳細の都度に記載します) 新しいものには無い艶や照り、そして使用されたもの独特の匂いがあります。 表面が非常に固い為、摩耗痕はあまり見られません。
気の実ビーズは湿気や汗を嫌います。 時々柔らかい布なので拭いてあげるなどのメンテナンスを行い、汗をかく際や炊事の際は外すのが良いでしょう。 長期保存する場合は、湿気のない乾燥した場所に保管して下さい。 湿気や汗はカビや虫食い原因になります。 カビや虫食いの責任は負いかねますのでご了承下さいませ。 万が一表面が白んでしまった場合はよく拭き取ってあげれば復活します。 使いこむことによって(ブレスとして身につけることによって)、黄土色の表面がやがて赤茶色になり、照りや光沢が増してゆきます。 最もそれが良い状態ですが、有機物である木の実ですので、いつかは朽ち果てるものだと思って下さい。